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学会からのニュース
再生医療等安全性確保法に基づく緊急命令について
一般社団法人再生医療抗加齢学会 会員各位
【厚生労働省報道発表(2025年8月29日)】再生医療等安全性確保法に基づく緊急命令について
厚生労働省は8月29日、自己脂肪由来幹細胞を用いた再生医療の提供中に患者が急変し、死亡に至った事案について、再生医療等安全性確保法に基づき、一般社団法人THティーエスクリニック(現・日本医療会東京サイエンスクリニック、東京都中央区)に対して再生医療の一時停止命令を、また当該細胞を製造していた株式会社コージンバイオ 埼玉細胞加工センターに対して製造の一時停止命令を発出しました。現時点では死因は未解明ですが、再生医療の根幹にかかわる深刻な事故と位置付けられています。
本件は、単なる一医療機関の不祥事ではなく、再生医療に携わる全ての医師・研究者・細胞加工施設に共通する「安全性確保の姿勢」が厳しく問われている重大事案です。今回のような死亡事故は、再生医療そのものに対する社会的信頼を一瞬にして失墜させかねず、学会会員の診療活動にも直接的な影響を及ぼす恐れがあります。
すでに当学会は2023年10月に、幹細胞培養上清液やエクソソーム投与に関する死亡事例を受けて、科学的根拠が乏しい自由診療に対して強く注意喚起してまいりました。しかし今回は、より広く臨床現場で導入されている「自己脂肪由来幹細胞治療」での死亡事故であり、その社会的影響は計り知れません。
会員各位に強く求める取り組み
- 加工施設における厳格な品質管理・記録保全の再確認
- 投与前後における科学的根拠に基づくリスク評価と説明責任の遵守
- 患者投与時のモニタリング体制・緊急対応体制の再確認
- 科学的根拠及び安全管理の重視
再生医療は、私たちが正しく扱えば大きな未来を切り開く力を持つ一方で、誤った臨床判断や安全管理の不備が一度でも重篤な結果を招えば、その信用は瞬時に失われます。今後、同様の事故が繰り返されれば、社会から再生医療そのものの存在意義が疑問視され、現場の医師の活動が大きく制限される可能性も否定できません。
再生医療抗加齢学会は、会員の皆様とともに、患者安全を最優先に据えた臨床実践を推進してまいります。どうか改めて、医師としての倫理と責任に基づいた診療を徹底していただくよう強くお願い申し上げます。
一般社団法人再生医療抗加齢学会
理事長 森下 竜一




